2024.05.01
タイムスリップ気分で散策を 善光寺門前にレンタル着物店オープン
善光寺門前にある長野市大門町にレンタル着物店「タイムトラベラー」が開店した。一帯が小中学校時代の通学路だったというオーナーの医師、小林秀樹さん(57)=小柴見=がにぎわいを願って開業。門前の雰囲気の中で着物を身に着け、タイムスリップしたような感覚を楽しんでもらう。6日にはオープニングイベントを開催。地元の女性20人を招待して無料で着物を貸し出し、門前の散策を楽しんでもらった。
タイムトラベラーは、大門交差点近くの旧はんこ店のビルを借り、1~3階を使って営業。着物は約300種類を用意した。侍などに関心のある訪日客向けに男性の和服の正装「裃(かみしも)」など武士らしい装束をそろえたフロアも開設。初心者でも着やすいよう、着物は上下に分かれた「二部式」に仕立て直した。
店長の祢宜沢愛理さん(56)は「着物を着て非日常を感じてもらいたい。思い出に残る観光になるようにもできたらいい」と意気込む。
オーナーの小林さんは「善光寺と門前に育てられたような思い」を抱き、地域のにぎわいにつながる活動を温めてきた。新型コロナ禍の水際対策の緩和を受け、足元の訪日客は急回復。「やるなら今だ」と決心した。訪日客と地元客の双方が楽しめる事業を模索し、レンタル着物店を出店することにした。
6日のオープニングイベントでは、参加者は好きな着物の柄や帯を選び、草履の代わりにスニーカーやブーツを履いたり、ベレー帽やレースのスカートを合わせたりと思い思いにコーディネート。善光寺から北石堂町のかるかや山西光寺まで足を運び、仏画を解説する「絵解き」を体験するなどして楽しんだ。
参加した大日方雅さん(53)=高田=は「着物で歩くとタイムスリップしたような気持ちになれた。非日常感が味わえますね」と話していた。
小林さんは「地元の人もそうでない人も、着物を着て歴史や文化を味わう『門前遊び』を楽しんでほしい」と期待する。着物のレンタルは1日3千円から。21日まで内覧会を開き、県内在住者は半額で着物を借りられる(要予約)。問い合わせはタイムトラベラー(電話090・4123・5371、火曜定休)へ。(2024年4月10日配信)