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高校生グループ、水引のPR拠点オープン 飯田市

高校生グループ、水引のPR拠点オープン 飯田市

 飯田下伊那地域の高校生らでつくるグループ「いいらぼ」は、地域の伝統工芸「飯田水引」のPR拠点を10月末までの期間限定で飯田市の中心市街地にオープンした。名付けて「水引スクエア」。飯田水引の歴史や伝承技術を伝える展示に加え、職人が制作した撮影用の水引細工を手に写真を撮れるコーナーも設けた。観光客や地元の若者に狙いを定め、水引の魅力を伝統と新しさの両面でアピールしている。

 りんご並木に近い飯田市本町1丁目の小売店舗「なみきマーケット」の一角、約25平方メートルに設けた。コンセプトは「水引の過去と未来を結ぶ交差点」。地元の職人が作った松竹梅の水引細工を展示した隣で、メンバー自ら作った水引のストラップやアクセサリーを600~800円で販売している。

 撮影コーナーは水色の壁に大きな穴を開けたようなデザインで、撮影用の小道具としてハートマークやヒマワリ、ソフトクリームなど「かわいさ」を意識した水引細工を用意した。同市下久堅の伝統和紙「ひさかた和紙」を水引で結わえたおみくじも作り、ガチャガチャ(カプセル玩具販売機)に入れて売っている。

 いいらぼは、代表で飯田高校3年の宮下あかりさん(18)=飯田市東栄町=らが昨年4月に設立。飯田水引の魅力を広めようとワークショップ(体験型講習会)などを開いている。市内には水引について情報発信する常設施設がなく、そうした施設が将来できる機運を高めようと「スクエア」開設を思い立った。

 運営メンバーは現在6人。通信制の地球環境高校3年、伊藤結真さん(18)=同市伊賀良=は「SNS(交流サイト)で拡散する力のある中高生を意識した内容。若い人が水引をもっと身近に感じてほしい」。唯一の社会人として参加する会社員小田英理奈さん(18)=下條村=は「まずは地元の人が、地域の魅力や可能性を知るきっかけになればいい」と話している。

 開業時間は午前9時~午後7時。入場無料。(2024年9月5日配信)