2021.06.02
コロナ打開策はワッフル ピンチのガールズバーが昼に移動販売 雇用・収益守るため
諏訪市のJR上諏訪駅近くでガールズバーや飲食店計7店を運営するT&Jグループは、チョコレートを塗ったワッフルに菓子をトッピングした「ユニコーンワッフル」を開発し、キッチンカーで移動販売を始めた。どの店も夜営業で、新型コロナのために売り上げが激減。25人ほどいた女性スタッフが15人に減る窮状の中、収益と雇用維持のため昼営業を試みている。
■コロナ下でも明るいイメージを
商品のモチーフは、幸せの象徴とされるユニコーン(一角獣)。代表の田口絵美里さん(34)=諏訪市=が、ユニコーンのキャラクターが海外で子どもらに人気と知り、「新型コロナ下でも明るいイメージを発信したい」と考案した。一角のように長く、角張っていて1本500円。商品名は商標登録して独自性を打ち出している。
移動販売は、新型コロナ流行前までガールズバーのスタッフだった近藤香織さん(33)が店長を務め、5月初旬に始めた。食品スーパーの駐車場や母の日に合わせて花店前で販売。高校生の下校時間帯の午後3~6時ごろには、JR上諏訪駅近くの同グループ駐車場でも不定期で営業する。高校生に100円引きで提供したりする工夫で一日50本売れた日もあった。
■「さまざまな仕事で稼げるように」
同グループは新型コロナ感染拡大で売り上げの大半を占めるガールズバーやスナック計4店の売り上げが7割ほど減少。7店全体でも売り上げ半減の苦境が続くという。夜営業に比べてユニコーンワッフルの単価は低いが、田口さんは「積極的にイベントに参加して従業員の雇用と収益を確保したい」と話す。
中学1年の長男(12)がいる近藤さんは以前、ガールズバーと日中の飲食店勤務を掛け持ちしていた。新型コロナによる客足減で別の仕事を探していて任せられた移動販売。「さまざまな仕事で稼げるようになりたい」と話し、1日も高校生らに明るい声を掛けていた。
(百瀬明日香)