2021.12.24
海水魚の「移動水族館」が飯田にやってきた訳
「海なし県」でも海の生物保護の関心を高めようと、専用トラックを使った「移動水族館」が19日、飯田市のかざこし子どもの森公園で始まった。天竜川が流れ着く静岡県の海に生息する約10種類の魚を観賞できる。環境保全に取り組む一般社団法人「恩がえしIILA(いいら)」(飯田市)が初めて企画。「川をきれいにすることは海がきれいになること」と呼び掛けている。21日まで。
代表の前裕治さん(40)によると定期的に行う天竜川の支流・土曽川などでの清掃活動では1時間でプラスチックや空き缶など40キロに上るごみが集まる。マイクロプラスチックによる海洋汚染が社会問題となる中「海になじみがなくても問題を知って」(前さん)と、水族館への海水魚供給などを手掛けるブルーコーナー(静岡県沼津市)に協力を依頼。空気や水流の調整装置を備えた専用車でカゴカキダイやアジ、ドチザメなどの魚を運んだ。車側面の窓から観賞できる。タカアシガニやアオヒトデと触れ合うコーナー、海のごみの展示もある。
同社販売部次長の平松健次さん(47)は「『かわいい』『きれい』の気持ちが、川の美化、海の生き物を守る意識につながるといい」。大人300円、小中学生100円。午前10時~午後4時。(2021年11月20日掲載)
この記事を書いた人
1873(明治6)年に創刊した長野県で日刊新聞を発行する企業です。きめ細かい取材網を生かした公正で迅速な報道に努めてきました。紙面づくりや多彩なイベントを通じた読者との双方向性を大切にしながら地域の産業や文化の振興も目指してきました。販売部数は約43万9000部(2020年4月)。県内シェアは70%超。地域に親しまれ、信頼される長野県民の主読紙として、人と時代をつなぐ仕事に取り組んでいます。