松本城のインスタ「天下取り」近い！？　目標は熊本城

　松本市が国宝松本城の風景を写真共有アプリ「インスタグラム」に投稿しているアカウントのフォロワー（読者）数が開設１年で１万４千人を超えた。若者や、新型コロナで離れた外国人にも効果的な情報発信ができるため、市は積極的な投稿を続けている。市が独自に調べた国内の主な城で最多だった熊本城（熊本市）の約２万１千人を超えることが目標だ。

　アカウントは市松本城管理課が昨年５月に開設。若手職員を中心に撮影し、これまでに２２０余の画像や動画を投稿した。フォロワー増加のきっかけとなった、北アルプスと天守が並ぶ構図の画像には約１万６千の「いいね」が付いた。雪と漆黒の天守の対比が印象的な２月の画像は、投稿からこれまでに「いいね」が約８万に達した。

　一般立ち入りができない管理エリアでも撮影するなど、城の魅力をよく知る職員ならではの写真が人気だ。担当者によると、「多すぎず少なすぎず」の週５回の投稿で城周辺の猫など動物も登場させる―といったノウハウが蓄積されてきたという。将来の海外誘客を見据え、英語のハッシュタグ（検索目印）も交ぜるなど工夫を凝らしている。

　同課は「熊本城のフォロワー数を超える」と意欲を燃やす。一方の熊本城総合事務所は、２０１６年の熊本地震で被災した城の復旧状況などを小まめに発信している。担当者は「他の城のフォロワー数などは知らなかったが、将来的に交流サイト（ＳＮＳ）活用などの情報を共有できる関係になることができればいい」。松本城管理課の勝山裕美課長も「アプリは今まで城に縁遠かった若者にもアピールできる」と期待している。(2022年４月26日掲載)