2022.11.21
目指せ「ゆるキャン△」の〝聖地〟 塩尻市の高ボッチ高原
塩尻市の高ボッチ高原で今春から本格営業している管理棟「でいだらボッチ館」が、キャンプをテーマにした漫画「ゆるキャン△」を高原のPRに活用している。作品内で高原を訪れる女性キャラクターを案内マップに載せ、館内で配布。キャラクターのキーホルダーも販売している。運営する市観光協会は、写真家や植物を楽しむ従来の高原のファンに加え、新たな客層の獲得を期待する。
高ボッチ高原は標高約1600メートルのなだらかな斜面に広がり、牧場や草競馬場がある。「ゆるキャン△」は漫画家あfろ(あふろ)さん作で、若い女性たちが全国のキャンプ場を訪れ、それぞれの魅力を味わう様子を描いた作品。第2巻で高ボッチ高原が登場し、山頂からの眺めなどが描写されている。
同館は昨年、老朽化した管理棟を市観光協会が修理してリニューアルオープン。春から秋にかけて土日曜と祝日に営業した。2年目の今年は平日も営業し、日中は管理人が詰め、来館者に一帯の見どころを解説している。
管理人の一人の上條慈美さん(塩尻市)によると、開館直後から「ゆるキャン△」のファンが訪れ始めた。キャラクターと同じように展望台から松本平を眺め、「記念に」と同館の写真を撮っていく。作品と同じ色、型のバイクで訪れた男性もいたという。
市観光協会は漫画の版権元とやりとりし、高ボッチ高原を訪れたキャラクターが展望台や牧場、山頂を紹介する一帯の地図を作成。8月から来館者に配り始めた。キーホルダーは他の登場人物も含め数種類を用意したが、高ボッチ高原を訪れたキャラクターの物が一番人気。一度に数個を買う人もいる。
観光協会が館内に置いた来訪者ノートには「ゆるキャンを見てからすごく行きたくてようやく来れた!」「キーホルダー買って帰ります」「(キャラクターの)リンちゃんの見た景色、生で見られてうれしいです」といった記述がある。
高原からは諏訪湖や富士山、北アルプスを眺められ、レンゲツツジなどの植物も豊富。観光協会の鳥羽和久事務局長は「漫画をきっかけに訪れた人に、実物の高原の良さを感じてもらえればいいですね」と話す。(2022年10月14日配信)