移住したくなったら

84歳喫茶店主、29歳デザインの服まとう 松本市六九商店街

84歳喫茶店主、29歳デザインの服まとう 松本市六九商店街

■商店主らが被写体に 2月のマツモト建築芸術祭に出品

 松本市街地の歴史的建築物に現代アートを展示する「第2回マツモト建築芸術祭」(2月4~26日)に向け、会場の一つである六九商店街(大手2)の旧洋裁店で16日、スウェーデン出身のアーティスト、ヨーガン・アクセルバルさん(50)が出展作となる写真を撮影した。同商店街に店を構える人らを被写体にして次々に撮影。アクセルバルさんは「レンズを通して街の人たちとつながりを感じられた」と手応えを話した。

 アクセルバルさんは2011年から東京で生活し、写真撮影や詩作などの活動をしている。芸術祭の総合ディレクター、おおうちおさむさん(51)から参加を打診され、快諾した。松本市が拠点のデザイナー、吉本天地(あまち)さん(29)がデザインした服を着た地元商店主らをアクセルバルさんが撮影し、商店街の風景写真や吉本さんの服と一緒に展示する計画だ。

 洋裁店は昭和初期ごろの建築とみられ、約20年前まで営業していたという。アクセルバルさんは「古い文化を感じ、自然光が美しい完璧なスタジオ」と撮影に集中。商店主らに「いいですよ」「あちらを向いて」と声をかけ、撮影を進めていた。喫茶店を営む中村千賀さん(84)は、ユニークな服を着て被写体になったことについて「驚くような体験。どんなふうに仕上がるのかしら」と展示を楽しみにしていた。(2023年1月17日配信)