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メインロケ地は松本 映画「流浪の月」「太陽とボレロ」 相次ぎ全国上映へ

メインロケ地は松本 映画「流浪の月」「太陽とボレロ」 相次ぎ全国上映へ

 松本市をメインロケ地とした映画「流浪の月」「太陽とボレロ」が5、6月、相次いで全国公開される。市街地などがスクリーンに登場するとみられ、地元の観光関係者は新型コロナ後を見据え、ロケ地巡りなどの誘客に弾みがつくと期待。市内の映画館も地元で撮影された映画を盛り上げたいとしている。

 6月3日に公開される「太陽とボレロ」は、俳優水谷豊さんの監督3作目で、檀れいさんが映画初主演。水谷さんのオリジナル脚本で、とある地方都市のアマチュア交響楽団を舞台に人間ドラマを描く。昨年5月に松本市でクランクインし、安曇野市、塩尻市、軽井沢町でも撮影した。共演は石丸幹二さん、町田啓太さん、森マリアさん、田中要次さん(木曽町出身)ら。

 自身も指揮者役で出演する水谷さんは「楽団員役の皆さんが練習に励んでくれたおかげで、素晴らしいコンサートシーンが生まれました」とコメントしている。

 広瀬すずさん、松坂桃李さんがダブル主演する「流浪の月」(李相日監督)は5月13日の公開が決定。昨年8~10月に松本、安曇野、大町市などで撮影され、女鳥羽川沿いの松本ガス(松本市)所有の建物が、松坂さん演じる男性が営む喫茶店となった。

 メインロケ地ではないものの、松本市で撮影された映画では他に、戦前に労働運動や共産党の活動に関わって投獄された諏訪市出身の伊藤千代子の生涯を描いた「わが青春つきるとも」が4月に、沢田研二さん主演の「土を喰(く)らう十二カ月」が秋に公開される予定。ロケ誘致などに携わる松本観光コンベンション協会の武井厚志事務局長は「コロナ下で制限が多い中、松本を舞台に選んでくれてとてもうれしい」。担当の室賀なつえさんは「地元住民とは違った視点で映し出される松本の街が楽しみ」と話している。

 松本がロケ地の映画公開が重なることもあり、市内映画館「松本シネマライツ」は今月、メーカーと共同で独自開発した新しい音響設備を導入し、「ご当地映画を盛り上げたい」としている。(2022年3月3日掲載)

トップの写真は「水谷豊さん(左)が監督、檀れいさん(右)が主演の映画『太陽とボレロ』(©2022「太陽とボレロ」製作委員会)

映画初主演の檀れいさん(©2022「太陽とボレロ」製作委員会)

映画「流浪の月」のデジタルポスター
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1873(明治6)年に創刊した長野県で日刊新聞を発行する企業です。きめ細かい取材網を生かした公正で迅速な報道に努めてきました。紙面づくりや多彩なイベントを通じた読者との双方向性を大切にしながら地域の産業や文化の振興も目指してきました。販売部数は約43万9000部(2020年4月)。県内シェアは70%超。地域に親しまれ、信頼される長野県民の主読紙として、人と時代をつなぐ仕事に取り組んでいます。