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焼け落ちた神官屋敷の博物館”再出発” 千曲市「松田邸」

焼け落ちた神官屋敷の博物館”再出発” 千曲市「松田邸」

 

 千曲市八幡の博物館「千曲市武水別(たけみずわけ)神社神官松田邸」の内覧会が3月24日あった。2017年9月の火災で焼け落ちた武水別神社の神官・松田家の屋敷を全面修復。展示スペースを設け、武田信玄や上杉景勝の朱印状など、松田家に伝わる貴重な古文書などを展示する。3月25日に開館する。

 「主屋(おもや)」はほぼ以前の姿通りに建て直し、内部を公開。神官が身を清める「湯殿(ゆどの)」など特徴的な造りが分かる。「松田式部丞(しきぶのじょう)」の名がある1570(元亀元)年の武田信玄の書状、「松田民部助(みんぶのすけ)」の名が見える1584(天正12)年の上杉景勝の書状の他、文学史上で貴重な史料も展示。松田邸が近くの和歌の名所、姨捨山を訪れた人たちが集う文化的サロンになっていたことがうかがえる。

 県史跡に指定されている敷地内には16世紀前半ごろから築かれた土塁や堀の跡も残り、市教委歴史文化財センターの中島丈晴主査は「神主屋敷として県内屈指の屋敷構えを持ち、約1万3千点の古文書が伝わる、歴史を体感できる施設」としている。

 金、土、日曜開館。午前9時~午後5時。一般300円、高校生150円、中学生以下無料。3月中は無料公開。25日午後1時半から記念式典を開き、3時に開館する。(2023年3月25日配信)