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上高地、地形や地質から知って ネイチャーガイド協がパンフレット

上高地、地形や地質から知って ネイチャーガイド協がパンフレット

 北アルプス上高地(松本市安曇)のガイド団体などでつくる「上高地ネイチャーガイド協議会」が、上高地一帯の地形や地質、景観の成り立ちを案内するパンフレットを作った。パンフを手に歩き、植物や野鳥観察にとどまらない上高地の豊かな環境に理解を深めてもらう狙い。上高地インフォメーションセンターや周辺の宿泊施設など約20カ所で無料配布している。
 パンフはA3判カラーの四つ折りで、5千部作製。梓川が火山活動によってせき止められ、大きな湖ができたことで上高地に平地が生まれた経過をイラスト付きで解説した。登山道から見られる槍ケ岳や穂高連峰の氷河地形を写真付きで紹介。大正池や河童橋、明神池など14のスポットについて写真と説明文を載せ、地図でそれぞれの位置を示した。
 同協議会は2021年度に環境省の助成金を受け、ガイドらが地形や地質について学ぶツアーや講座を実施。22年度は登山愛好者らを対象にしたツアーの普及を進める。信州大の原山智・名誉教授(地質学)の協力を受け、山並みや景勝地を説明するガイド養成用の教材(A5判カラー、119ページ)も作った。
 協議会事務局の福田浩道さん(55)は「景観や生態系を育む基礎となった地形や地質を伝えることで、上高地をより深く楽しんでもらえるガイド活動につなげたい」と話している。(2022年5月18日配信)