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サウナにはまった元編集者 テントサウナでまちおこし 上松町

サウナにはまった元編集者 テントサウナでまちおこし 上松町

 上松町地域おこし協力隊の宮原未来(みき)さん(34)=塩尻市木曽平沢出身=が、テントサウナを使った誘客に力を入れている。屋外に設置できる特徴を生かし、豊かな自然の中でくつろいでもらう。これまで町民向けに体験イベントを開いてきたが、本年度は木曽郡内の住民に対象を拡大。「森林浴発祥の地」とされる赤沢自然休養林のある町で、森林浴の新たな楽しみ方を提案する。

 テントサウナは、専用テントの中でまきストーブを使って室温を上げる。ストーブの上で温めた石に、地元産ヒノキから抽出した成分を含む水をかけて蒸気を出し、香りも楽しむ。川で体を冷まし、木々を抜けてきた風に当たる「外気浴」でリラックス効果がさらに高まるという。

 宮原さんは都内で編集者やライターとして働いていたころ、漫画をきっかけに「サウナにはまった」。自宅近くのサウナだけでなく、友人らと富士山麓の湖畔や長野県内に出向き、テントサウナを楽しむ生活を送っていた。

 2020年度に町の協力隊になり、「森林浴とテントサウナを結び付ければ町おこしになる」と町に働きかけた。町は同年度にテントサウナ2基を購入。「まずは身近な人からファンになってもらおう」と、21年度は7~12月に月1回程度、町民向けのサウナ体験会を実施した。

 本年度の体験会は7月23日の定員がほぼ埋まり、8月20日の参加者は郡内在住者で7月28日から募集を始める。宮原さんは「テントサウナは自然との相性が良く、さまざまな景色や川を楽しめる。赤沢自然休養林や木曽町の開田高原など郡内の自然を巡るテントサウナの旅も企画していきたい」と話す。(2022年7月22日配信)