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人気呼ぶ「千人塚バーガー」 コロナを逆手に 飯島

人気呼ぶ「千人塚バーガー」 コロナを逆手に 飯島

 飯島町七久保の千人塚公園のキャンプ場で提供されている「千人塚バーガー」が「本格的な味」と人気を博し、同公園の名物料理になりつつある。開発したのは、キャンプ場指定管理者の町民団体「紡縁社(ぼうえんしゃ)」の宮下正子さん(36)ら。宮下さんは今年3月まで伊那市内で飲食店を営んでいたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で閉店を余儀なくされた。キャンプ場の仕事に専念する中で取り組んだ挑戦が実を結び、地域の住民も買い求めている。

 パンの部分は自家製で、生地をしっかり練った後にオーブンで2回焼き、カリッとさせた。粗びきの豚肉に牛ひき肉と牛脂を合わせた香ばしいパティと、中川村で無農薬野菜を育てる大島農園のリーフレタスなどを挟んでいる。1個税込み760円。

 宮下さんは和食を基本にした店を閉じた後、2019年から携わっていたキャンプ場の仕事に専念することを決めた。名物料理を作ろうと試行錯誤する中で、自身の店では扱っていなかったバーガーを考案。今年の大型連休明けに提供を始め、多い日は30個ほど売れたという。

 地元の小学生や子ども連れの母親グループもバーガーを食べに来るといい、宮下さんは「お年寄りが気に入って再び買いに来てくれた時はうれしかった」。キャンプ場は週末、公園内の城ケ池で遊べるSUP(サップ=スタンドアップパドルボード)やテントサウナの利用客でにぎわっているが、地域の人も気軽に立ち寄れるキャンプ場になればいい―と願っている。バーガーは午前11時~午後3時に販売している。(2021年9月22日、信濃毎日新聞)

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1873(明治6)年に創刊した長野県で日刊新聞を発行する企業です。きめ細かい取材網を生かした公正で迅速な報道に努めてきました。紙面づくりや多彩なイベントを通じた読者との双方向性を大切にしながら地域の産業や文化の振興も目指してきました。販売部数は約43万9000部(2020年4月)。県内シェアは70%超。地域に親しまれ、信頼される長野県民の主読紙として、人と時代をつなぐ仕事に取り組んでいます。