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引き続き「憩いの場」に 長野市の映画館が130周年

引き続き「憩いの場」に 長野市の映画館が130周年

 長野市の映画館「長野相生座・ロキシー」が今年、前身の芝居小屋「千歳座」の開場から130周年を迎えている。長年同じ地で上映を続ける中、シネコン(複合映画館)の登場や映画のインターネット配信、交流サイト(SNS)の普及など時代の変化にさらされながらも、「地元の映画好きの憩いの場」として存在感を維持。11日には記念として、デビュー50周年となる活弁士の沢登翠(さわとみどり)さんを招いた無声映画の上映会を開く。

 1892(明治25)年に千歳座として開場し、97年に初めて活動写真を上映。1919(大正8)年に「相生座」となり、73(昭和48)年に劇場内を仕切って長野ロキシーもできた。

 ヒット作を多く扱うシネコンの登場で、市内に複数あったミニシアターが姿を消した。映画のネット配信も脅威になると危惧したが、運営会社の久保田純朗社長(50)は逆に「映画を楽しむ人口が増えたのではないか」とみる。大画面や音の迫力など映画館の良さが再認識され、「(自分にとって)重要な作品は映画館で見たい」という客も多いという。

 客層は40~80代が中心だったが、新型コロナ下の来館控えなどで年配客が減った。将来を見据えて若い世代にも足を運んでもらおうと、アニメやホラー映画を多く上映するようにしたところ、20~30代も訪れるように。ツイッターなどSNSでも情報発信し、見たい映画を目当てに県外から訪れる客も出てきた。

 久保田社長によると、韓国や台湾といったアジア系、インド系、インディーズ系など映画作品は膨大に増えている。10年前、長野相生座・ロキシーの年間上映作品は約110本だったが、今年は200本にもなる。久保田社長は「何でもありが基本。面白いと思えるものはどんな作品でも上映する」。政府批判のドキュメンタリーやロマンポルノなども公開する。

 上映だけでなく、監督や出演俳優のトークショーやサイン会を積極的に企画し、手応えのある楽しみ方を提供する。11日は、江戸時代の名力士雷電為右衛門(ためえもん)を題材にした「雷電」と、ドイツ映画で異世界ファンタジーの「死滅の谷」を上映。沢登さんの語りと楽器の生演奏とともに鑑賞する。

 当日は午後2時上映開始。前売り一般2200円、大学生以下1500円(当日は300円増し)。(2022年12月1日配信)