移住したくなったら

22年春新卒採用 県内企業3割「増やす」 主要108社アンケート

22年春新卒採用 県内企業3割「増やす」 主要108社アンケート

 信濃毎日新聞社は1日、県内主要企業を対象に実施した2022年春新卒採用に関するアンケートの結果をまとめた。回答した108社のうち採用数を21年度実績より「増やす」と答えたのは約3割の31社で、「減らす」とした11社を大きく上回った。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を強く受けた非製造で抑制傾向が見られる一方、半導体市場の活況などを背景に製造業の拡大傾向が強い。21年度の採用数が計画に満たなかった企業は41社に上り、挽回を図る動きも目立つ。

 同数が回答した前年同期の調査と比べ、「増やす」は1社増、「減らす」は3社増。「同程度」は2社増の59社だった。新型コロナによる先行きの不透明感は依然残るが、「未定・その他」は6社減って7社となった=グラフ。

 「増やす」と答えた企業の7割弱を製造業が占めた。半導体製造工程で使う真空ポンプが主力の樫山工業(佐久市)は「半導体市場の成長による受注増に対応するため」と理由を説明。21年春卒は新型コロナで採用活動の中断を余儀なくされた自動車部品製造のアート金属工業(上田市)は「中長期を見据えた戦略的な人員確保を図る」とした。

 「減らす」と答えた企業の7割余は非製造業。2年連続で減らす計画の土産卸のタカチホ(長野市)は「新型コロナ禍で業績が悪く、見通しも不透明のため」とした。21年春実績の半分にする計画の長野電鉄(同)は「人員配置を見直しているため」とした。

 21年春採用で目標数を確保できたとする企業は64社にとどまる。学生との対面の機会が限られる中、計画通り採用できた企業には「早期にオンライン選考への切り替えができたため」(製造業)といった声が目立った。

 調査は4月上旬以降、各社に電子メールで調査用紙を送り、回答を得た。(2021年5月2日、信濃毎日新聞)

この記事を書いた人
1873(明治6)年に創刊した長野県で日刊新聞を発行する企業です。きめ細かい取材網を生かした公正で迅速な報道に努めてきました。紙面づくりや多彩なイベントを通じた読者との双方向性を大切にしながら地域の産業や文化の振興も目指してきました。販売部数は約43万9000部(2020年4月)。県内シェアは70%超。地域に親しまれ、信頼される長野県民の主読紙として、人と時代をつなぐ仕事に取り組んでいます。