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県民全希望者へのワクチン接種 県・市町村「11月末までに」 インフル流行前目指す

県民全希望者へのワクチン接種 県・市町村「11月末までに」 インフル流行前目指す

 県と県市長会、県町村会は14日、新型コロナウイルスワクチンについて、季節性インフルエンザ流行前の11月末までに県民の全希望者に接種し終える目標で一致した。一方、高齢者向け接種は人の往来が多くなるお盆前の「7月末」の完了を目指し、基礎疾患がある人への接種も7月上旬に開始予定。県は7月末完了の目標に間に合わない市町村に医師を派遣し、大規模接種会場の設置を検討する。

 国から65歳未満のワクチン供給の見通しが示されていない中、県が独自に目標を設定した格好だ。阿部守一知事は取材に「県民の健康を守るため、こうしたスケジュール感で取り組めるよう最大限準備していくと(市町村と)共有した」と述べた。

 県によると、基礎疾患のある人は約16万7千人。重症化するリスクが高いことから、高齢者向けと一部並行して始める。各市町村の進み具合に応じ、その後、高齢者施設職員ら約3万3千人、その他16歳以上の約83万人への接種に順次移行していく。

 接種を担う医療従事者の不足などで7月末までの接種完了にめどが立たない市町村への支援は、県が今後公募する医師や看護師を派遣。県は「来週の早いうちに公募を始める」としている。市町村との共同接種会場や、一定の地域を対象とした大規模接種会場の新設も考えるとした。

 県は21日を初回に接種の進み具合を週1回公表する方針を決めた。医療従事者向けは全県の接種回数と接種率、高齢者向けは市町村別の接種率が対象。高齢者向け接種率は、1、2回目それぞれについて、30%未満、30~50%、50~80%、80%以上といった区分で公表する。

 13日までの接種率は、医療従事者の1回目が73%、2回目が34%。高齢者の1回目が2%だった。(2021年5月15日、信濃毎日新聞)

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1873(明治6)年に創刊した長野県で日刊新聞を発行する企業です。きめ細かい取材網を生かした公正で迅速な報道に努めてきました。紙面づくりや多彩なイベントを通じた読者との双方向性を大切にしながら地域の産業や文化の振興も目指してきました。販売部数は約43万9000部(2020年4月)。県内シェアは70%超。地域に親しまれ、信頼される長野県民の主読紙として、人と時代をつなぐ仕事に取り組んでいます。