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女性の力でビール醸造 松本ブルワリー

女性の力でビール醸造 松本ブルワリー

 クラフトビール醸造の「松本ブルワリー」(松本市)の女性スタッフ6人は8日、国連が定める「国際女性デー」(8日)に合わせ、松本市野溝西の同社の醸造所で初めてビールを仕込んだ。業界で働く女性の地位向上などを目指す「国際女性共同醸造デー」に合わせた作業。完成したビールは4月中旬、専用のラベルを貼って売り出す予定だ。

 米国のビール業界で働く女性の団体「ピンク・ブーツ・ソサエティー」と英国の団体が企画。参加する醸造所は特別に調合したホップを使ってビールを仕込み、団体に寄付もする。寄付金は女性醸造家の育成などに使われる。松本ブルワリーには女性醸造家はいないが、販売担当の女性スタッフが、性別を問わず尊重し合いたい―と参加を決めた。

 そろいのピンク色の長靴を履いた6人は、湯が入った「糖化釜」に麦芽を入れ、ろ過した麦芽のかすを取り除いた。甘い香りが立ち上る中で、「良い香り」などと話しながら作業を続けた。今後、ホップをふんだんに使って香り高いビールを目指す。1400リットルができる予定だ。

 直営店の販売スタッフ市川小百合(さゆり)さん(34)は「わくわくする。世界中のビール好きが男女関係なくつながっていくといい」と話した。仕込んだビールは、同社の直営店で330ミリリットル入り600円(税別)で販売する。(信濃毎日新聞、2021年3月9日)