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鹿、長野市街地駆ける 善光寺大本願で捕獲

善光寺大本願寿光殿で鹿を捕まえる長野中央署員(右)ら=26日午前、長野市(善光寺大本願提供)

 長野市で26日、ニホンジカ1頭が約1時間半にわたって中心市街地を駆け回った。善光寺境内に逃げ込み、最後は大本願寿光殿で追跡していた県や市の職員、長野中央署員らにより「お縄」となった。

 午前9時半すぎ、同市西長野の古書店「新井大正堂」の庭で男性従業員が1頭の鹿と鉢合わせた。その後、鹿は西方寺付近や中央通り、善光寺大本願の東門につながる細い小路で目撃された。

 大本願に入り込んだ鹿は庭を通って寿光殿の縁側から中に入り、廊下で総務主任の小川一彦さん(62)とばったり。だが、驚くそぶりも見せず同11時ごろ、玄関で行き場を失っていたところを市職員と同署員に捕まえられた。

 鹿は体長約1・3メートルの1歳ほどの雄とみられ、軽トラックで近くの山中に運ばれ放された。県鳥獣対策・ジビエ振興室によると、1歳ほどの雄はこの時季、母親から独り立ちして雄同士の群れに加わる頃で、餌を求めて行動範囲を広げることもある。過去に裾花川をたどって市街地に入った例があるといい、担当者は「今回も川沿いを通ってきた可能性がある」とみている。

 一方、この日の未明には県信用組合本店(新田町)付近でも鹿が目撃されており、市は捕獲した鹿と同一の可能性もあるとみている。(2021年5月27日、信濃毎日新聞)

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