移住したくなったら

手軽な「プライベートサウナ」を開発 自宅庭にも設置可能 長野県産カラマツ製

手軽な「プライベートサウナ」を開発 自宅庭にも設置可能 長野県産カラマツ製

 集成材製造などの斎藤木材工業(小県郡長和町)が、プライベートサウナ運営のレリバント(北佐久郡御代田町)、木製品家具製造の前田木芸工房(松本市)と共同で、県産カラマツ材を使ったサウナルームを開発した。斎藤木材工業の集成材技術を生かし、足元から温かい構造を実現。サウナブームが続く中、宿泊・入浴施設や住宅の庭などに設置できる手軽さも売りに市場を開拓する。

 サウナルームはドーム形で、4人用と6人用の2種類を開発した。それぞれ高さ1・8メートル、幅1・7メートルで、奥行きは4人用が2・1メートル、6人用が2・7メートル。足元が冷えやすい屋外サウナの課題を解決するため、側壁の下部に分厚い集成材を使って外気の影響を受けにくくした。サウナストーブは電気と薪の両タイプに対応する。

 斎藤木材工業の工場で組み立てて現地に設けることで、設置工事費の低減にもつなげた。価格はストーブの種類や窓、ベンチなどのオプション設定によって異なるが、おおむね300万円前後。

 フィンランド語で「引く」を意味する「Vetää(ベター)」のブランド名で同社が製造し、レリバントが販売総代理店となって昨秋に販売を始めた。既に温浴施設やキャンプ場、リゾート施設などから引き合いがある。

 北佐久郡軽井沢町でプライベートサウナ「カヴェリ」を運営するレリバントの福元修取締役によると、近年のブームにより各地でサウナが混み合う中、「自分の家でゆっくり入りたい」とのニーズが高まっているという。住宅や貸別荘などに導入する需要も見込み、今年は50台の設置を目指す。

 斎藤木材工業の売上高は年15億円前後。人口減少に伴う住宅着工戸数の減少などを見通し、2022年に「木のみらい室」を設けて新たな収益の柱を模索。23年から他の2社と連携してサウナ開発を進めてきた。

 同室の木村洋介係長は「サウナが多く売れることで林業事業者から丸太を高く買うことができる。長野県の山に貢献していきたい」と県産材の利用拡大に意欲を示した。(2025年4月5日配信)