2021.10.06
今秋イチオシの新品種ブドウ「クイーンルージュ」出荷開始
中野市農協が、県開発のブドウの新品種で今秋本格的に市場デビューする「クイーンルージュ」の出荷を始めている。露地物は9月下旬ごろからだが、「雨よけハウス」で採れたブドウを出している。13日には同市金井のぶどう集出荷センターに3軒の生産者から約400キロが持ち込まれ、東京や県内の市場などに発送された。
クイーンルージュは赤色の大粒のブドウで糖度が高く、種がなく皮ごと食べられる。赤紫色のユニコーンに黄緑色のシャインマスカットを掛け合わせた品種で、県果樹試験場(須坂市)が開発した。2018年に県内農家へ苗木の供給が始まり、19年に品種登録された。県園芸畜産課は「赤色系で皮ごと食べられる品種は全国的にも少ない。主力品種の一つとして成長させたい」と強調している。
中野市農協管内では約250軒が約4300本を栽培。この日は同センターで検査員が粒の色や大きさ、房の形などをチェックした。関係者によると、価格の評価はまだ安定していないものの、「シャインマスカットよりちょっと高めで売れている」という。
今年は凍霜害などが相次いだが、同農協の小林哲也園芸課長(48)は「クイーンルージュはおくてなので影響は少なかった。期待通りの糖度や色の仕上がりになっている」と話していた。(2021年9月14日、信濃毎日新聞)
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