移住したくなったら

雪中で半年保存「雪がくしそば」 長野・戸隠神社で作業

雪中で半年保存「雪がくしそば」 長野・戸隠神社で作業

 長野市戸隠の商工関係者らが21日、戸隠神社中社境内で地元産の玄ソバ約440キロを雪の中に埋める作業をした。毎年この時季に日本酒を雪中に置き、春に掘り出して「雪中酒」として販売しており、初めて玄ソバも一緒に埋めることに。6月ごろから「雪がくしそば」として地元の各そば店で扱う予定で、雪中酒と合わせて「戸隠を盛り上げたい」と意気込んでいる。

 雪がくしそばは、地元の若手そば職人らでつくる「戸隠麺‘z(メンズ)倶楽部(くらぶ)」の取り組み。2013年ごろから、駐車場などの雪の中でソバの実を一定期間保存し、各店舗でそばを提供している。メンバーの一人で「大久保の茶屋」を営む西忍さん(46)は「甘みが強まると感じる」といい、これを目当てに戸隠を訪れる客も徐々に増えているという。

 雪中酒に取り組む地元酒販業者らからの投げ掛けもあり、一緒に取り組むことに。PRの相乗効果を図る。西さんは、戸隠神社で寝かせることにより、戸隠らしい方法でそばの魅力を高められるとも考えたと話す。

 この日は市内の今井酒造店が仕込んだ辛口の日本酒計3千本弱と玄ソバを並べ、その上に重機で雪をかけた。雪山は中社社殿の前にあり、西さんは「毎日の祝詞のおかげで、さらにおいしくなるかもしれない」と笑顔で話した。(2022年1月22日掲載)

この記事を書いた人
1873(明治6)年に創刊した長野県で日刊新聞を発行する企業です。きめ細かい取材網を生かした公正で迅速な報道に努めてきました。紙面づくりや多彩なイベントを通じた読者との双方向性を大切にしながら地域の産業や文化の振興も目指してきました。販売部数は約43万9000部(2020年4月)。県内シェアは70%超。地域に親しまれ、信頼される長野県民の主読紙として、人と時代をつなぐ仕事に取り組んでいます。