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グランピングで南信州の魅力、味わって 高森町にオープン

グランピングで南信州の魅力、味わって 高森町にオープン

 高森町大島山の山沿いに10日、グランピング(豪華なキャンプ)が楽しめる施設がオープンする。南アルプス、伊那山地、天竜川を一望できる場所にテントやログハウスなどを設置。飯田市でバーを経営する児島弘和さん(43)が、飯田下伊那の豊かな自然や食の魅力をより多くの人に知ってほしいと、新事業に挑戦する。

 施設名は「南信州グランピングTENKU」。町西部の山際を南北に走る町道「ハーモニックロード」の近くだ。山の斜面に広がる約3千平方メートルの敷地にテント、ログハウス、ドーム型など7棟の建物が点在し、眼下には伊那谷の街並みが広がる。建物の定員は各3~6人。いずれもベッド、エアコン、冷蔵庫などを完備しており、利用者は特別な準備は必要なく過ごせる。トイレ棟やシャワー室もある。

 食事では地元産の牛肉や豚肉、野菜のバーベキュー、キノコや沢ガニのアヒージョなどを提供。児島さんは「南信州のポテンシャル(潜在能力)を感じてもらえる」と自信を見せる。

 児島さんは飯田市出身。30代半ばから同市の中心市街地でバーを経営しているが、新型コロナウイルスの影響で現在は休業中だ。ただ、グランピング施設の構想を練り始めたのはコロナ前からだという。根底にあったのは「自分の店だけでなく、地域全体の活気が大事」との思い。「グランピングを経験すれば、もっと南信州を巡ってみたくなるはず」と感じている。

 20代の頃はバックパッカーとして主に東南アジアを巡り歩いた。フィリピンでスキューバダイビングのインストラクターをした経験があり、もともとアウトドアも得意だ。「いろいろな人と会って話をするのが好き。これまでの経験を生かして町おこしをしたい」。コロナ下で高まるアウトドアレジャーの人気も、後押しになるとみる。

 建物ごとに貸し出す仕組みで、1泊の使用料は平日は4万8千~7万円、休日は6万~8万円。定員までなら何人でも利用できる。飯田下伊那在住者は2、3月に限り特別料金で、平日、休日ともに3万~4万円。食事は朝夕の2食で1人8500円。問い合わせは児島さん(電話080・8748・4649)へ。(2022年2月9日掲載)

この記事を書いた人
1873(明治6)年に創刊した長野県で日刊新聞を発行する企業です。きめ細かい取材網を生かした公正で迅速な報道に努めてきました。紙面づくりや多彩なイベントを通じた読者との双方向性を大切にしながら地域の産業や文化の振興も目指してきました。販売部数は約43万9000部(2020年4月)。県内シェアは70%超。地域に親しまれ、信頼される長野県民の主読紙として、人と時代をつなぐ仕事に取り組んでいます。