移住したくなったら

築70年の空き家をDIY改修 移住希望者の紹介拠点にも 長和町の地域おこし協力隊

築70年の空き家をDIY改修 移住希望者の紹介拠点にも 長和町の地域おこし協力隊

 長和町の地域おこし協力隊の依田雛(ひな)さん(26)が、10年ほど空き家になっていた同町和田の築約70年の古民家(木造2階建て)を賃借し、活用を図っている。2024年2月の任期終了後に買い取り、民泊施設を開業することも考えている。この古民家の他にも町内に空き家は数多いことから、移住希望者に空き家情報を紹介する拠点にもしたい、と張り切っている。

 都市部で若者が一軒家を持つことは厳しいが、空き家の増加が問題となっている地方であれば可能ではないか―。そんな思いを抱いていた依田さんは昨年に神奈川県茅ケ崎市から赴任。長和町で移住や定住の促進業務に従事する。町によると、昨年度時点で町内の空き家は約470軒。町は空き家情報登録制度(空き家バンク)を整えて希望者に物件を紹介、町外から人を呼び込むきっかけにしている。

 しかし、空き家に移り住みたくても改装には少なくない資金が必要となる。依田さんは「自分の手で床を張り替えられると自信を持ってもらうことでハードルが下がれば」とワークショップ(参加型講習会)を発案。今月初め、1階の部屋で開いた床張りのワークショップには県内外から11人が集まった。

 町内で木工品を製作、販売する2級建築施工管理技士・高橋五輪美(いわみ)さん(57)を講師に招き、2日間実施。畳張りだった約23平方メートルの一角で、初日は床板の上にフローリング材を支える細長い横木(根太)を敷いた。老朽化などでゆがみが生じた箇所は端材を入れて高さを調節。根太と根太の間には断熱材をはめ込んだ。翌日は根太と断熱材の上に下地材を張り、一部にフローリング材を敷いた。

 参加した佐久穂町の藤井あゆみさん(33)は地元の古民家でゲストハウス開業を目指す。「プロに直接教えてもらえる機会は貴重。とても勉強になった」と感謝した。(2022年6月24日配信)

依田さんが賃借する古民家