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ざざ虫漁を未来に 駒ケ根市 漁を実演する催し

ざざ虫漁を未来に 駒ケ根市 漁を実演する催し

 伊那谷伝統のざざ虫漁とその食文化を考える催し「『ざざむし』からミライへ」が23日、駒ケ根市下平のおもしろかっぱ館で開かれた。半世紀にわたり天竜川で続けた漁を引退した同市中沢の菅沼重真(しげま)さん(86)が漁を説明。食品開発を手がける上伊那農業高校(南箕輪村)の生徒たちの活動発表もあり、参加者約20人が聴いた。

 菅沼さんは、ざざ虫を捕るのが面白く、食べる人に喜ばれるのがうれしかった―と振り返り、川底の石をひっくり返すくわや四つ手網を使って漁を実演。「若い時は漁をする人が50人ほどいたが、減ってきた。伊那谷の食文化をぜひ残してほしい」と訴えた。同校GL(グローカル)コース昆虫食班の2年生5人は養殖の実験や商品化したざざ虫のふりかけを紹介した。

 催しは漁の後継者が不足する中、菅沼さんの経験や新たな発想の取り組みを広く知ってもらい、次世代に継承しようと、同館や県長寿社会開発センター伊那支部(伊那市)などが企画。同館は特別展「ザザムシ我(わ)が人生」を8月28日まで開催中で、菅沼さんの道具や漁に関するスクラップ記事を展示している。(2022年7月24日配信)