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アルプホルンで開山祝う 中央アルプス千畳敷

アルプホルンで開山祝う 中央アルプス千畳敷

 

 今季の中央アルプス開山式が28日、標高約2600メートルの千畳敷で開かれた。式典後、地元山岳会の会員らが駒ケ岳山頂(標高2956メートル)を目指して登山。晴天の下、連なる尾根を見渡してシーズンの幕開けを喜んだ。

 千畳敷での式は4年ぶりで、山岳救助の関係者や登山客ら約60人が信州駒ケ岳神社に登山の安全を祈った。駒ケ根観光協会の伊藤祐三会長(駒ケ根市長)は「(新型)コロナ前を上回るにぎわいがやって来ると確信し、楽しみにしている」とあいさつした。

 千畳敷の午前9時半の気温は約10度で、積雪は約2・2メートル。ホテル千畳敷に今季新設されたテラスでは、上伊那地域のアルプホルン愛好家6人が山にまつわる曲を演奏し、朗々とした音色を響かせた。周辺では登山やスキーを楽しむ人もいた。

 上伊那地域などの登山愛好者でつくる「伊那山の会」の会員4人は、解け始めた雪を踏みしめて登山。午後1時過ぎの駒ケ岳山頂からは青空と雪に映える宝剣岳の他、御嶽山や北アルプス乗鞍岳、南アルプスや富士山も見渡せた。

 伊藤彰啓会長(64)は「中アは千畳敷カールが人里から直接見え、第一級の自然が気軽に楽しめる。(関わる人たちは)これからも大切にしてほしい」と話していた。(2023年4月29日配信)