移住したくなったら

飯綱町のファン増やそう! ウェブマガジン5年 活躍する町民ライター

飯綱町のファン増やそう! ウェブマガジン5年 活躍する町民ライター

 飯綱町民が地元の魅力などを取材するウェブマガジン「いいいいいいづなマガジン」が始まって5年たち、記者を務める「町民ライター」の活躍の場が広がっている。主婦や会社員、地域おこし協力隊とさまざまな立場の人が、町内で見つけた面白い人や催しなどを紹介。編集を担当する真鍋知子さん(53)=東京都出身、写真=は「町のファンを増やす」と改めて意欲を燃やしている。

 「良(い)い」町を強調したい―と「いいいいいいづなマガジン」と名付けた。2018年に始め、6日までに227本の記事を掲載。町民ライターは5年間でメンバーが入れ替わりながら、常に5人ほどが町内を巡っている。

 4人の子どもがいる同町普光寺の西林薫さん(45)がこれまで執筆した記事は51本。夜中、家族が寝静まってから書いてきた。

 19年10月の台風19号では、被災地への物資支援拠点を取材した。養蜂農家や子どもたちへの読み聞かせサークルなど、これからの取材候補はたくさん。「気になったことがあれば『取材です』と言えば話を聞ける」と町民ライターの魅力を語る。

 西林さんを「社会派ライター」と評する真鍋さんはもともと、東京で写真週刊誌や月刊誌のフリーライターを20年間余り続けた。5年前に町に移住し、マガジン創刊に関わった。今は町民ライターから集まってくる記事の校正をする傍ら、自分でも取材する。

 週刊誌時代はスポーツや芸能人への密着、ゴシップなどを担当。取材対象は大きく異なるが、「グラビアの女の子が人知れず頑張っている姿を見ると書きたいと思うし、今でも近くを歩いているおじさんが実は熱心に野菜を育てていたりすると書きたい」。知らない人に出会い、話を聞くという点では同じだ。

 真鍋さんによると、月7千~8千人がマガジンを閲覧している。町外在住者の閲覧が多く、中でも毎冬、ワカサギ釣りの記事が特に人気だ。

 課題は町内の読者を増やすこと。21年、22年にはこれまでウェブに載せた記事をまとめた冊子を3回に分けて発行した。ライターも随時募集している。「編集方針は、町民が良いと思ったことを取り上げる。それだけ」と真鍋さんは話している。

 記事は町の廃校を再利用した施設「いいづなコネクト」のウェブサイトで読める。(2023年7月7日配信)