移住したくなったら

3晩、夜を徹し踊る「新野の盆踊」  阿南町で始まる

3晩、夜を徹し踊る「新野の盆踊」  阿南町で始まる

 下伊那郡阿南町新野で14日夜、室町時代から続くとされる「新野の盆踊(ぼんおどり)」(国重要無形民俗文化財)が始まった。昨年は新型コロナウイルス感染防止で時間を短縮したが、今年は例年通り17日朝まで3晩、夜を徹して続ける。地区内外の住民がともに輪をつくり、盆唄と手拍子の音が夜空にこだました。

 午後9時、地区中心部の通りで住民や観光客らが輪をつくった。「ひだるけりゃこそ すくいさに来たに」とうたい出す踊り「すくいさ」で開始。やぐらの上で声を出す「音頭取り」と踊り子たちのかけ合いで、ゆっくり踊った。

 愛知県から帰省した大学4年奥田裕貴(ゆうき)さん(23)は「盆踊りがないと夏じゃない」。音頭取りを務めた阿南第二中学校3年後藤沙綾(さあや)さん(15)は「受け継いでいけたらいい」と話した。新野の盆踊は「風流踊」の一つとして昨年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された。(2023年8月15日配信)