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コロナ下でも「快走中」 安曇野のシェアサイクル

コロナ下でも「快走中」 安曇野のシェアサイクル

 安曇野市観光協会が運営するシェアサイクルの利用が好調だ。5月の利用件数は298件で、新型コロナ感染拡大前の2019年同月(利用件数122件)と比べて2倍以上の水準に伸びた。同協会はシェアサイクルの認知度向上とともに、「密」を避けながら安曇野を満喫できる移動手段として需要が高まっている―と分析している。

 シェアサイクルは18年8月に開始。市内と松川村の16カ所に設けた拠点「サイクルポート」に計50台を用意し、4~11月の期間中、電動アシスト付き自転車を15分100円で貸し出している。

 昨年前半はコロナ禍で観光客が激減しシェアサイクルの利用も低迷したが、感染確認数が減った9月以降は利用が前年より3~7割増加。20年4~11月に計1206件(前年同期比100件増)の利用があった。1件当たりの平均利用額も増え、「自転車で観光地を回る長時間の利用者が増えた」(同協会)という。

 今年は密を避けながら、観光施設や飲食店を自転車で巡ってもらう催しを企画。地図で指定された観光施設や飲食店を周り、写真を撮影して得点を競う「安曇野サイクルロゲイニング」を4月から始めた。参加者には「初めての店や場所に行くことができた」と好評で、シェアサイクルの利用増にもつながっている。

 同協会の白沢勇一専務理事は「シェアサイクルを活用した取り組みを続け、地域にお金を落としてもらえる仕組みづくりを進めたい」。協会では市民の利用も促すため定額料金プラン導入も検討中。月額料金を支払えば、一定時間の利用を無料にするといった仕組みを考えている。(2021年6月16日、信濃毎日新聞)

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1873(明治6)年に創刊した長野県で日刊新聞を発行する企業です。きめ細かい取材網を生かした公正で迅速な報道に努めてきました。紙面づくりや多彩なイベントを通じた読者との双方向性を大切にしながら地域の産業や文化の振興も目指してきました。販売部数は約43万9000部(2020年4月)。県内シェアは70%超。地域に親しまれ、信頼される長野県民の主読紙として、人と時代をつなぐ仕事に取り組んでいます。