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パブリックレコード(宮田村)、JASRAC音楽文化賞に輝く 世界唯一のアナログレコード原盤工場【動画付き】

パブリックレコード(宮田村)、JASRAC音楽文化賞に輝く 世界唯一のアナログレコード原盤工場【動画付き】

 アナログレコードの原盤となるマスター盤を製造するパブリックレコード(上伊那郡宮田村)が、音楽文化の発展に貢献した個人・団体に贈られる日本音楽著作権協会(JASRAC)の第10回音楽文化賞を受賞した。世界唯一のマスター盤製造業者として高い技術でレコード文化を支えていると評価された。奥田聖社長=写真中央=らが17日、東京都内で開かれた贈呈式に臨んだ。

 1976(昭和51)年に創業した同社は82年にマスター盤製造に参入。3年前に米国の競合業者の工場が全焼して以降、世界で唯一生産している。円形アルミ板を磨き、表面をラッカー塗料でコーティングしてマスター盤を製造。レコード会社はこれに溝を刻んで原盤とし、量産用の金型を作る。

 90年代、CDの台頭で国内レコード各社がアナログレコードの生産を中止。「事業継続の境目」(奥田社長)に直面したが、精密部品の組み立てや録音業など他の事業を支えに、海外需要を引き受けてきた。近年はアナログレコードの再評価もあり、生産量は90年代のおよそ10倍の月1万枚ほどに拡大している。

 JASRACは「精度の高い技術を継承し、世界中のレコードの供給拠点として文化を根底から支えている」と評価。受賞に際し、奥田社長は「うちがきちんと作らなければレコードが生産できなくなる。不自由がないように供給する責任を果たしたい」と気持ちを新たにしていた。

 音楽文化賞はほかに、パリ祭実行委員会と三河市民オペラ制作委員会が受賞した。(2023年11月17日配信)