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肥満児童増 原因はコロナ禍? 調理パン購入額の多さ?長野市

肥満児童増 原因はコロナ禍? 調理パン購入額の多さ?長野市

 長野市の肥満児童の割合が近年、増加傾向にあることが市保健所などへの取材で分かった。小学5年男子の肥満児童の割合が2015年度に3・8%だったのに対し、22年度は7・1%。小学5年女子の割合は15年度の1・9%がら22年度は3・3%に増加した。子どもの肥満は将来、糖尿病や動脈硬化、生活習慣病などを引き起こす原因になりかねず、市保健所健康課は「この結果を注視し、原因を分析したい」としている。

 数値は各小学校で実施した健康診断の結果。身長と体重から算出した「肥満度」が30%以上の場合を肥満児童としている。健康課は肥満児童の割合の増加について、長期化した新型コロナウイルスの影響による運動の自粛、家庭での食事で油や塩分、糖分が多く取られていることなどが背景にあると推測する。

 子どもに限らず、成人のメタボリック症候群の該当者や予備軍の割合(40~74歳)も増加している。男性は15年度の44・0%から21年度は51・0%、女性は15年度の15・6%から21年度は17・3%に増えた。

 総務省統計局の家計調査によると、都道府県庁所在地と政令指定都市の52カ所中、長野市の調理パンの購入金額(19年度から21年度の平均)は2位。砂糖、食用油、食塩の購入も上位に入っている。調理パンの購入金額は全国的にも増えており、市保健所健康課は共働き家庭の増加や物価高騰などで、「安価で手軽に食べられるため好まれるのではないか」とみる。

 現在肥満児童に対しては、小学校の養護教諭が個別に支援している。健康課は、子どもの肥満を防ぐには妊娠期からの注意が必要―と指摘。妊婦が低栄養や低体重となった場合、胎児には飢餓に備えてエネルギー消費を少なくし、余ったエネルギーを脂肪として蓄える「倹約遺伝子」が働き栄養をため込みやすくなり、肥満につながるリスクが高まることがあるという。保健所は妊娠中の食生活に関する講座を開いて食事量や栄養のバランスなどを指導しており、「肥満児童の減少を目指したい」としている。(2023年6月2日配信)