2023.08.10
子ども1人につき100万円!?長野県の移住支援制度がパワーアップ中!
こんにちは!
SuuHaa副編集長の登山Youtuber・やぎちゃんです!
2022年に長野に移住した私。
大好きな山が近い環境で長野生活を満喫している中、思うことがあるんです。それは「もっとたくさんの人に長野県に来てほしい!」「長野県に移住するハードルが少しでも下がったらいいのに!」ということ。
そこで、長野県庁にやってきました!
訪問したのは、1階にある移住相談窓口。
日々移住希望者の相談に乗っている信州暮らし案内人の小川さんと産業労働部の市川さんに、最新の「長野県の移住制度」について聞いてきました!
2023年度もさらに拡充!長野県の移住支援金制度。
- やぎちゃん
- 私自身、移住してきていつも「長野県っていいところだな」と感じています。実際、長野県への移住者って増えている気がするんですが、どうなんでしょう?
- 小川さん
- はい、順調に増えているんですよ!2022年には、ついに移住者の数が3000人を超えました。
年度 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 |
移住者(人) | 2,323 | 2,426 | 2,960 | 3,334 |
支給実績(件) | 5 | 11 | 58 | 222 |
- 市川さん
- 移住支援金の支給実績に至っては、2021年度から1年で4倍近くに跳ね上がりました。想定よりも移住者が増えた結果、予算が追いつかない、なんて嬉しい悲鳴が聞こえるほどです。
- やぎちゃん
- ほんとに長野県って人気なんだ!ちなみに、去年の記事から移住支援策に変化はあるんですか?
- 市川さん
- いいことを聞いてくれました。長野県の移住支援金制度「UIJターン就業・創業移住支援事業」がより手厚くなったんです。昨年度までは、要件を満たした場合最大で、単身の場合は60万、家族の場合は100万円の支給。さらに18歳未満の子どもがいれば、1人につき30万円が加算されていました。
2023年度は18歳未満の子ども1人につき加算される金額が、最大で100万円になったんです。
- やぎちゃん
- 30万円から100万円に……!?
- 小川さん
- はい。しかも、昨年度同様、県独自のマッチングサイトに掲載されている県内企業への転職者に加え、テレワーカーや関係人口の方も支給対象です。
- やぎちゃん
- じゃあ、子ども2人の家族が移住すると……
- 市川さん
- 100万円の支給に加えて、100万円×子ども2人分の加算。つまり、最大300万円ということになりますね。
- やぎちゃん
- え〜〜すごい!!
- 市川さん
- 2023年度も引き続き多くの市町村が「UIJターン就業・創業移住支援事業」を実施しています。ただ、市町村によっては、支給金額が異なる場合があるので、詳しくは各自治体に確認してもらえたらと思います。
奨学金返還支援で県内企業に就職する若者をサポート!
- やぎちゃん
- そのほかに力を入れている取り組みはありますか?
- 市川さん
- 直接的な移住支援ではありませんが、若者の支援という観点では、2023年度から「奨学金返還支援制度導入企業サポート事業」がスタートしました。
- やぎちゃん
- まさか、奨学金の返済をサポートしてもらえる……?
- 市川さん
- 従業員への奨学金返還支援制度を設ける県内企業に対して、県が返還の一部を助成する制度です。奨学金の返済が負担になっている若者を、県内企業と共にサポートします。
県内企業への就職・転職を考えている若者にとっては、奨学金の返済の負担が少なくなりますし、企業にとっては少ない負担で安心して働ける職場環境の整備、ひいては人材確保にもつながると考えています。
- やぎちゃん
- わたしも奨学金を借りていた身だから、すっごい助かります!
- 市川さん
- まだ今年度の4月からはじめたばかりの事業なので、成果が出てくるのはこれからなんですが、どんどん導入企業が増えて若者を支援する土壌を広げていきたいところです。
長野県にとって、「若者を呼び込む」「若者にいきいき働いてもらう」ことも重要なミッションのひとつ。こうした取り組みを進めていきたいと思っています。
長野での仕事や住まい……移住で気になることを聞いてみた!
- やぎちゃん
- そういえば、わたし、Instagramでフォロワーさんから質問を募集していたんですよ。「長野県への移住について県庁に聞きたいことはありますか?」って。その中からいくつか聞いてもいいですか?
- 市川さん・小川さん
- はい、ぜひぜひ。
- やぎちゃん
- 一番多かったのが、仕事についての質問。「長野県にはどんな仕事がありますか?」とか「長野県で独立するときの支援はありますか?」とか。やっぱり移住を考えるときには、仕事のことが気になるみたいで。
- 小川さん
- 仕事を探している方には、ハローワークや産業雇用安定センターをご紹介するケースもあります。
そのほか、独立や起業といったキャリアを考える方には、2021年度の記事でも紹介したソーシャルビジネス創業支援金もおすすめです。地域課題解決に関わるビジネスを創業した方を対象に、経費の2分の1、上限200万円を支援します。
- やぎちゃん
- 200万円!でも、結構な大盤振る舞いですよね。 もしかして選考が厳しいとか?
- 小川さん
- いえいえ、採択率は50%ほどです。応募した方のうち、およそ2人に1人が支援を受けられています。
- やぎちゃん
- 半分も! 自分でビジネスを始めるきっかけにもなりそうな制度ですね。
- やぎちゃん
- 仕事のほかには、住まいについての質問も多かったです。「家賃の相場を知りたいです」「住まいに関する支援はありますか?」などなど。たしかに私も家のことは気になっているんですよね。いつかログハウスを建てたいんですけど、何か支援があったらいいな、なんて(笑)。
- 小川さん
- 残念ながら、ログハウスづくりをピンポイントで支援する制度はむずかしいですね(笑)。しかし、ゼロエネ住宅を建てる際の支援ならありますね。
- やぎちゃん
- え、知りたい!
- 小川さん
- 「信州健康ゼロエネ住宅助成金」という事業です。ゼロカーボン実現に向けて再生可能エネルギー設備を設置、県産木材の使用といった要件を充たす住宅を建てた事業者に助成金を交付します。新築だと最大200万円、リフォームだと最大100万円の助成になりますね。
- やぎちゃん
- これは事業者さんへの支援なんですね!予算が浮く分、家づくりのほかの箇所に充てられるか、相談できたら嬉しいなぁ。
- 小川さん
- ちなみに、家の購入だけでなく、自治体によっては賃貸でも家賃の一部を助成しているところもあります。
- やぎちゃん
- たしかに。私が住んでいる長野市でも、上限2万円の補助を最大2年間もらえる制度があることを聞きました!
- 小川さん
- ちなみに、「楽園信州」というサイトに移住支援制度をまとめたページがあります。ここから、「仕事」「住まい」といったカテゴリーや市町村で検索しながら、支援制度を調べることも可能です。今説明したような情報も載っていますよ。
- やぎちゃん
- 今、ちょっとスマートフォンで調べてみたんですけど、支援制度の数が多くてびっくりしています。これは要チェックですね!
移住を決めたら、まずは相談窓口で話を聞こう!
- やぎちゃん
- 県も、市町村も、それぞれ移住者を受け入れるための工夫をしているんですね。ちなみに、移住相談窓口は県と市町村の2つがありますよね。どう使い分けたらいいんでしょうか?
- 小川さん
- たとえば「長野県に移住したいんだけど、どの市町村がいいかわからない」という場合は、ひとまず県の移住相談窓口に来ていただくのがいいでしょうね。ある程度、移住候補地が絞られてきたら、その市町村の窓口に行くのがおすすめです。
- やぎちゃん
- ちなみに、長野県に移住してフィットする人の傾向ってありますか?
- 小川さん
- 移住というのは、人生の中でも重大な決断です。だからこそ、自分の理想のライフスタイルを想像していたり、何かしら目標を持っていたりする方が定着しやすい傾向にありますね。
逆に、支援金などお金を目当てに移住されると、残念ながらすぐに離れて行ってしまう方もいるのが現状です。
- 小川さん
- せっかく移住してきたけれど、「もっとサポートが受けられたり、優遇されると思っていた」 と、期待とのギャップを感じる方も少なからずいらっしゃるようです。実際に移住される前にご自身で下調べをしたり、移住相談窓口で話を聞いてみたりといった準備も大切ですね。
- やぎちゃん
- 長野に移住した私でも、今日のお話ではじめて知る支援制度がたくさんありました。長野県に移住しようと思ったら、まずは自分で調べたり、移住相談窓口に行ってみることで発見がありそうですね。今日はありがとうございました!
さいごに
私自身も、移住支援を受けて長野で暮らしています。
何もわからない中、とりあえず移住先である長野市の移住相談窓口に行きました。すると、とても丁寧にヒアリングしてくれて、一生懸命私に該当しそうな支援制度をたくさん見つけてくれたり、住まいのアドバイスをしてくれて。
長野県に移住したくなったら「自分は移住支援の対象ではないかな」と決めつけず、まずは移住相談窓口で話を聞いてみるのがおすすめですよ!
長野県でお会いできること、楽しみにお待ちしています!
構成:小林拓水
撮影:fujico
編集:飯田光平